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本当に美味しいフェアトレードのコーヒー3選

奴隷労働がなくならないコーヒー農園

コーヒー豆の輸出量1位のブラジル。その生産量は世界の総生産量の1/3にのぼりますが、ブラジルのコーヒー産業は奴隷労働を含む深刻な問題を抱えていることも明らかになっています。

コーヒー生産者のなかには人身売買(人身取引)の被害にあい、ごみ捨て場に住まわされて無賃金・低賃金で働かされている人もいることが分かっており、世界最大のコーヒー取り扱いブランドNestlé(ネスレ)は2015年、ブラジル政府の摘発によって奴隷労働が発覚した2つの農園と取引があったことを認めています。2018年の摘発では、奴隷のような状態でコーヒー農園で働かされていた人が過去15年で最多の300人見つかっています。昔の話ではなく、いま起きていることなのです。

さらに、トムソン・ロイター財団の調査によれば、奴隷労働によって生産されたコーヒー豆に 「Slavery Free(奴隷労働なし)」の認証が貼られ、スターバックスなど世界規模で展開するコーヒーチェーンに卸されていたことも発覚しています。認証マークは一つの目安にはなるものの、万能ではない現実も知っておかなければなりません

本当に美味しいフェアトレードのコーヒー3選

では、どのコーヒーを買えば、奴隷労働によるものではない、適正な対価が支払われている「フェアトレード」を応援できるのでしょうか?全国どこからでもオンラインで買える本当に美味しいフェアトレードコーヒー3選をご紹介します。ちなみに、フェアトレード商品は高価なイメージがあるかもしれませんが、送料を入れても1杯100円程度です。自分で淹れれば、コンビニコーヒーと同じくらいの価格でずっと美味しく、人にも環境にも優しいコーヒーが飲めるので、ぜひおすすめします。

1. 豆乃木のメキシコ産コーヒー


青年海外協力隊としてジンバブエ、ケニア、マラウイで国際協力に従事した経験のある女性が立ち上げたコーヒー豆専門店。メインで取り扱っているマヤビニックコーヒーは、メキシコ国内でも経済的に貧しい人が多い先住民族の人々によって生産されています。豆乃木は現地に直接出向いて買い付けをするだけでなく、生産者協同組合とパートナーシップを組み、お互いに顔の見える関係性で協業しています。さらに、マヤビニックコーヒーは無農薬・無化学肥料で作られています

豆乃木はお店向けに販売している生豆の方が種類豊富ですが、個人向けの焙煎豆もマヤビニックコーヒーの他にいくつか種類があります。そして、豆乃木の良さは『焙煎翌日便』であること。焙煎したてのものを発送してくれるため、鮮度が素晴らしいです!コーヒーを淹れるとぷくっとふくらみます。いつ注文しても焙煎したてのものを届けられるように、毎週木曜日午前10時までの注文分をまとめて翌日までに出荷するという流れを組んでいます。注文日によっては到着まで時間がかかりますが、待つ価値ありです。

◆価格目安:200g 1,296円(税込)+送料770円(沖縄・離島以外)
⇒1杯あたり103円(まとめ買いすれば送料分がお得になります)
※Amazon Pay(Amazonに登録のクレジットカード払い)も利用可

2. Storyline Coffee Companyのルワンダ産コーヒー


Storyline Coffee Companyは「サスティナブルなビジネスと優れた品質によって、コーヒーに関わる全ての人に幸せなストーリーをお届けする。」を理念に掲げ、主にルワンダ産のコーヒーを取り扱っています。

ルワンダは1994年の虐殺の歴史で知られていますが、現在コーヒー農園で働く人の多くは、虐殺によって親族を亡くした女性やその子どもたちだそう。Storyline Coffeeはフェアトレードでの輸入にとどまらず、女性たちの自立支援にも力をいれています。コーヒー豆は価格が変動しやすく、生産者の収入が安定しづらいのですが、Storyline Coffeeは生産コストに見合った適正代金を前払いすることで、生活の安定を支援しているそう。さらに、毎年3キロの売り上げにつき生産者1人の健康保険を提供しています。ルワンダの女性起業家とのパートナーシップのもと、農園とは賃金や技術向上などについて直接話し合える関係を築いているとのことで、透明性も高いです。こちらのコーヒーも焙煎してすぐ発送してくれるため(パッケージに焙煎日が書かれています)、とても新鮮なコーヒーを楽しめます。

◆価格目安:200g 1,800円(税込)+送料189円(クリックポスト対応商品のみ)
⇒1杯あたり99円

3. MI CAFETOのコーヒー

MI CAFETO(ミカフェート)は「コーヒーハンター」として知られる川島良彰さんが手掛けるコーヒーブランドです。コーヒーを勉強するため、高校3年生だった1975年にエルサルバドルに留学し、国立コーヒー研究所で学んだという川島さんのコーヒーへの情熱は凄まじく、40年以上に渡って世界50ヶ国・2000以上のコーヒー農園を直接訪れ、技術指導をしたり新しいコーヒーを探し続けています。「フェアトレード」という言葉には懐疑的で、「貧しい人が作るものに対し、かわいそうだから買うのではなく、おいしいからという理由で買ってほしい」と言い、品質に対して適正な価格を生産者に払うことをモットーに、技術のない生産者には技術を教え、生産者が本当の意味で自立できるよう指導しているそうです。

(エルサルバドルの内戦で)お世話になった大使をはじめ、友人が7人も殺されました。戦争は何もいいことはありません。さまざまな経験をして、資本主義、共産主義といったくくりとは関係なく、生産者がちゃんと作ったものに、きちんと対価が支払われる市場が正しいと思うようになりました(BARNEYS CAFE BY MI CAFETO PREMIER「コーヒーで世界を変える―香り高き1杯に込められた思い」より 川島良彰)

 

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ミカフェートの魅力は何と言ってもその幅広いラインナップ!川島さんが世界を練り歩いて厳選したコーヒーを楽しむことができます。ワインと同じようにコーヒーにも品質にピラミッドがあるとして、レベル別に様々な価格帯のコーヒーを販売しています。焙煎したてのアロマを保つため、ボトルに入って届く姿もまるでワインのようで、その香りは他にない素晴らしさです…!コーヒー好きな方へのギフトにも最適。これが贈られてきたら興奮すると思います。

◆価格目安:160g 2,000円(税込)+送料662円
⇒1杯あたり166円(まとめ買いすれば送料分がお得&より高級なラインアップもあり)
※楽天Payも利用可

以上、おいしいコーヒー作りに励む生産者に適正な対価をお支払いでき、サステナブルなコーヒーづくりを応援できる3選をご紹介しました。共通するのは、フェアトレード認証の有無に関わらず、買い手よし、売り手よし、世間よしの「三方よし」の考え方のもと、農園と顔の見える関係を築いて直接取り引きをしていること。これによって、冒頭で紹介したような「フェアトレード認証がついているのに、実際は全然フェアトレードではない」ということが生じる可能性も限りなく低く、安心して応援することができます。そしてなにより、コンビニコーヒーやスーパーで売られているコーヒー豆とは比較にならない美味しさを自宅で楽しむことができます。それぞれ試してみて、お気に入りの香り・味のコーヒーを見つけてみてください。私はどれも好きなので、順番にぐるぐる買っています ^ ^

参考
ABOUT ME
ふまね
0歳の娘をワンオペ育児中の33歳です。すきま時間に倫理的(エシカル)な選択をするための調べものをコツコツ発信しています。 詳しいプロフィールはABOUTから